通信費を削減!今すぐできる見直し方法

invoxではじめるコスト分析~通信費編~

テレワークの普及により、企業の通信費は増加の一途をたどっています。Web会議やクラウドサービスの利用拡大で、オフィスのデータ使用量が従来の2~3倍に増加した例もあります。一方で、通信業界は参入事業者が多く変化が激しいため、適切に見直しを行えば大幅なコスト削減が期待できる分野でもあります。

本記事では、複雑に見える通信業界の仕組みを分かりやすく解説し、『インターネット回線』『固定電話』『モバイル回線』それぞれの基礎知識から、具体的な削減手順まで詳しくご紹介します。

この記事の使い方

目次

通信業界の全体構造を理解しよう

通信費を適切に見直すために、まずは業界構造を理解しましょう。
一見複雑に思えるこの業界も、「誰がどんな役割を担っているか」という視点で整理すると、無理なく理解できます。
以下の3者が、それぞれ異なる立場で通信サービスを提供しています。

①回線事業者(キャリア):インフラの”所有者”

インフラを自社で保有し、直接サービスを提供する企業です。いわゆる大手キャリアが該当します。

メリット
  • ・通信品質が高く、安定性に優れる
  • ・全国規模で広範囲をカバー
  • ・障害時の対応も迅速で安心感がある
デメリット
  • ・料金は比較的高め
  • ・プランの自由度が少なく、料金設定や契約条件は画一的な傾向

②再販事業者:インフラの”借り手”

回線事業者からインフラを借り、自社ブランドでサービスを展開する企業です。
コストパフォーマンスに優れたプランが多く、中小企業にも導入しやすいのが特徴です。

メリット
  • ・料金が安く、柔軟なプラン構成が可能
  • ・用途や業種に特化したサービスが選べる
  • ・契約期間や解約条件が緩やかな場合が多い
デメリット
  • ・通信品質が回線事業者に依存するため、混雑時には通信速度が低下することがある
  • ・サポート体制にばらつきがあり、法人対応に不安が残る場合も

③販売代理店:契約の”仲介者”

通信サービスの「仲介役」を担うのが販売代理店です。実際の回線は他社が提供しており、プラン提案や契約手続きの窓口となります。

メリット
  • ・複数サービスの比較提案を受けられる
  • ・導入や移行時のサポートを受けやすい
デメリット
  • ・提供されるサービス品質は元の回線事業者に準拠
  • ・契約後の問い合わせ先が分かりづらくなることも
なぜこの構造を理解すべきなのか?

通信費削減の鍵は、「どの立場の企業と契約しているか」を把握し、目的に応じて切り替えの選択肢を検討することにあります。

たとえば

  • ・通信の安定性を最優先したい場合 → 回線事業者との直接契約が有力
  • ・コスト重視で見直したい場合 → 再販事業者を比較対象に
  • ・サポートや提案力を求める場合 → 販売代理店経由の導入も検討

構造を知らずに「何となく」判断してしまうと、削減チャンスを見逃すことも。
まずは、自社がどの立場の事業者と契約しているかを確認することが第一歩です。

回線ごとの見直しポイント

通信費は、主にインターネット回線・固定電話回線・モバイル回線の3つの要素で構成されています。
本章では、各領域ごとに見直しの判断材料と、検討すべき項目を整理します。

『インターネット回線』の見直しポイント

見直しが必要なサイン

  • ・Web会議中に画面が止まったり音声が遅れたりする
  • ・社員から通信環境に対するストレスの声が上がっている
  • ・生産性の低下や顧客対応への影響が懸念される

確認すべき3つのポイント

インターネット回線は利用する機器や対象範囲が広く、すべて見直すのは負担になります。
そこで、まずは下記3つのポイントを確認してみましょう。本記事で触れる各規格は、2025年時点で一般的に普及している技術を基準に、「最新」などと表現しています。

① Wi-Fiアクセスポイント

Wi-Fiの通信規格が、最新のWi-Fi 6に対応しているか確認します。一世代前のWi-Fi 5とWi-Fi 6では約1.4倍近く通信速度が変わってきます。

また、設置から3年以上経過している場合は、交換を検討しましょう。

確認方法

  • ・アクセスポイントのラベルや管理台帳から型番を特定し、メーカーサイトで対応規格を確認
② ルーター

規格がIPv6に対応しているかを確認します。
IPv6対応により、インターネットの接続方式が変わり、通信速度の向上が期待できます。

確認方法

  • ・現在のルーターの型番を調べ、メーカーサイトでIPv6対応を確認
  • ・プロバイダーにIPv6接続サービスの利用状況を問い合わせ
③ サービスプロバイダー契約

「安定性」「通信速度」「料金」の3つの観点で契約内容を見直します。

安定性
  • 専有型(自社専用回線):帯域保証あり、高品質だが高価格
  • 共有型(他社と共有):他の利用者と帯域を共有する契約。比較的低コストだが、通信速度が変動しやすい
通信速度
  • ・数字が大きいほど高速で利用者のストレスが少ない
  • ・一般的に10Gbpsの共有型より1Gbpsの専有型の方が高価格
料金
  • ・上記2点を加味したコストパフォーマンスで総合判断

『固定電話回線』の見直しポイント

固定電話回線の業界では、従来の銅線を使った電話回線はほぼなくなり、電話回線のインフラは光回線もしくはワイヤレスが中心となっています。

また、PBX(企業内の電話交換機)も、保守や設定に費用や手間がかかるオンプレミス型からクラウド型への移行が進んでいます。

見直しが必要なサイン

  • ・オフィスに従来型の据え置き電話機がある
  • ・PBX(構内交換機)に関する維持費や修理費が発生している
  • ・フリーダイヤル(0120/0800)など着信課金サービスの利用頻度が高い

確認すべきポイント

① 電話機の種類と設置時期

据え置き型電話を5年以上前から使っている場合、回線がアナログ契約のままである可能性があります。
アナログ契約では物理的なPBX(交換機)が必要なため、保守や更新費がかかり、クラウドPBXと比較して大幅にコスト高になりやすい状態です。

古い機器・アナログ契約のままになっていないか、台帳や回線契約書類を確認しましょう。

② PBX関連の支出

以下のような費用項目があれば、オンプレミス型PBXを継続利用中の可能性があります。

 PBX修理費/ソフトウェア更新費/定期点検費/消耗品費

オンプレミス型は初期導入費だけでなく、運用コストが継続的にかかるため、クラウドPBXに切り替えることで、月額料金だけで済み、保守コストはほぼ不要になります。

維持費の発生状況を確認し、クラウド化によるコストダウンの余地を検討しましょう。

③ 着信課金サービス(0120/0800)の契約内容

フリーダイヤルは顧客にとって便利ですが、通話料を受信側(自社)が全額負担する仕組みです。
にもかかわらず、「あまり使われていない番号」「特定拠点でしか使用していない番号」にも高額な維持費がかかっていることがあります。

最近の通話明細を確認し、費用対効果が低い場合は解約やプラン変更を検討しましょう。

『モバイル回線』の見直しポイント

見直しが必要なサイン

  • ・音声通話やデータ通信の実際の利用量に対し、契約プランが過剰になっている
  • ・利用中のスマートフォンが業務に対して通信品質やコストで不満がある
  • ・契約が属人的で、退職者の名義になった端末などが放置されている

確認すべきポイント

① 契約形態の分類とそれぞれの特徴

現在契約しているモバイル回線が、以下のどの形態に該当するかを整理し、自社の利用目的(営業職/内勤/拠点間通話など)と照らして妥当かを判断します。

契約形態 特徴 向いているケース
MNO
(大手キャリア)
通信品質が高く、サポートも手厚い 通信の安定性を最重視したい場合
MVNO
サブブランド
通信速度がやや不安定になることもあるが、低価格 コスト重視・ライトな利用が多い場合
新興キャリア 柔軟な料金設計・新しいサービス設計に特徴 データ無制限や拠点限定プランを活用したい場合
② 契約内容の妥当性

以下のような観点で、契約と実際の利用状況にズレがないかを確認しましょう。
無駄がないか?使われていない契約が残っていないか?を定期的に見直すことで、固定費の削減につながります。

契約形態 特徴
データ通信量 月間の使用データ量と契約上限を比較し、過剰 or 不足がないかを確認
通話プラン 通話時間が短いのに「かけ放題プラン」を契約していないか
利用端末の把握 退職者名義のスマートフォンや、ほぼ使われていない端末が契約されたままになっていないか
不要なオプション 保険・セキュリティソフト・留守電機能など、使用実態のないサービスが課金されていないか

通信費削減の基本ステップ

ステップ1:現状分析・データ整理

現在の契約内容と実際の利用状況を正確に把握します。現状を数字で把握することで、どこにムダがあるのかが明確に見えてきます。

請求書から読み取るべき項目

季節による利用量の変動も含めて把握するため、過去12か月分の請求書を用意し、以下の項目を整理します。

  • 契約回線数:固定電話、インターネット、モバイル端末の総数
  • 回線ごとの固定費:基本料金、回線使用料など毎月定額で発生する費用
  • 回線利用料金:通話料、データ通信料など使用量に応じて変動する費用
  • データ使用量:契約プランの上限と実際の使用量の差
  • 月間支出額と年間支出額:通信費全体のボリューム把握

契約内容の詳細確認

請求書だけでは分からない、以下に挙げたような契約の詳細も確認します。

  • ・契約プランの詳細(データ容量、通話プラン、オプションサービス)
  • ・内線システムの仕様と利用範囲
  • ・各端末の通話明細(頻度、時間帯、通話先の傾向)
  • ・契約期間と更新タイミング
  • ・使用されていない回線や退職者名義の端末
【参考】よくある課題とその特定方法

契約容量と
使用量のミスマッチ
  • ・データ使用量が契約容量の50%以下の回線が複数ある
  • ・通話時間が短いのに無制限プランを契約している
サービスの形骸化
  • ・契約時に追加したオプションサービスが未使用のまま
  • ・過去の業務フローに合わせた契約が現在も継続
社内通話での
無駄な費用発生
  • ・拠点間通話で外線料金が発生している
  • ・内線システムが古く、効率的な通話ルートが設定されていない

現場の声をヒアリング

数字だけでは見えない実態を把握するため、利用部門に簡単なヒアリングを行います。

  • ・通信速度に不満はないか?
  • ・通話品質に問題はないか?
  • ・内線、外線の使用頻度はどの程度か?

ステップ2:候補となる通信事業者をピックアップし、複数社に相見積もりを依頼する

現状を整理できたら、改善の方向性に応じた見直しシナリオを検討し、複数の通信事業者へ相見積もりを依頼します。

見積依頼の際に伝えるべき条件

  • ・現状の契約・費用・課題の概要(ステップ1で整理した情報を「見積条件書」にまとめるのも有効)
  • ・削減目標や重視するポイント(例:30%削減、24時間サポート希望)
  • ・導入希望時期や拠点展開計画

自社の求める条件を明確にし、競合比較を前提とした依頼にすることで、通信事業者側からの提案精度も高まります。

効果的な交渉のポイント

交渉は単に「安くしてほしい」と伝えるだけでなく、より現実的な改善案を引き出す工夫をしましょう。

  • ・既存取引先には長期利用の実績や、複数拠点での導入状況をアピールする
  • ・「他社とも比較検討中」である旨を丁寧に伝える
  • ・単価交渉にとどまらず、サービス品質の改善やサポート体制の見直しも提案する
  • ・複数回線を一括契約することで「ボリュームディスカウント」を求める

ステップ3:通信事業者・プランを選定する

複数社からの提案が揃ったら、いよいよ最終判断のフェーズです。単純なコスト比較だけでなく、サービス品質や将来的な柔軟性を含めて、総合的に検討することが求められます。

比較検討のポイント

コスト面
  • ・現在の年間通信費と、改善後の予想費用の比較
  • ・初期費用(機器代・工事費・設定費など)や違約金の試算
  • 投資回収期間の明確化
サービス面
  • ・本社・地方拠点を含めた対応エリアのカバー状況
  • ・回線品質(専用回線/共有回線、帯域保証の有無)
  • ・サポート体制(障害発生時の対応スピードや連絡手段)
リスク面
  • ・切り替えによる業務影響とその対策
  • ・契約条件(最低利用期間、解約時の制約)
  • ・将来的な拠点展開や組織改編との整合性

最終判断の進め方

まずは自社にとって何を優先すべきかを明確にすることが出発点です。

  • ・通信の安定性や可用性を最重視するなら → 回線事業者との直接契約を中心に検討
  • ・コスト削減が最大の目的なら → 再販事業者やMVNOを中心に比較
  • ・サポート品質に不安があるなら → 代理店やパートナー企業経由での契約も選択肢に

また、導入に向けては、契約更新タイミングを見据えた切り替えスケジュールの設定や、移行作業による業務影響を最小限にする調整など、移行計画の策定が必要です。

通信費の削減に向けて

通信費は適切に見直しを行えば大幅なコスト削減が期待できます。まずは、請求書や自社の利用状況を確認してみましょう。
一方で、手作業で請求書を分析し事業者と交渉するのは時間も手間もかかります。「手間なく削減に取り組みたい」という方は、ぜひinvoxコスト分析をご検討ください!

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