CO2排出量の算定コストをパック料金で実質0円に 運用と精度を維持しながら無理なく継続できる体制へ
2026.4.13 たねやグループ 経営企画室 室長 大村啓子様 DX推進室 室長 玉井弘美様
たねやグループ
経営企画室 室長 大村啓子様 DX推進室 室長 玉井弘美様
利用プラン:invox炭素会計 ベーシックプラン
invox受取請求書 プロフェッショナルプラン
invox発行請求書 ベーシックプラン
invox電子帳簿保存 ベーシックプラン
たねやグループについて

たねやグループは、滋賀県近江八幡市に本社を置く、1872年創業の菓子製造販売企業です。和菓子の「たねや」と洋菓子の「クラブハリエ」、農業生産法人の「キャンディーファーム」からなるグループとして菓子製造販売のほか飲食事業を展開しています。
「たねや」は素材や季節性を重視した和菓子づくりを行い、「クラブハリエ」はバームクーヘンを代表商品とする洋菓子ブランドとして、工房併設店舗による体験価値の提供にも力を入れています。また、2015年にオープンしたフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」は、和・洋菓子、パンショップなどの店を設け、「自然に学ぶ」をコンセプトに季節ごとのお菓子や自然を楽しむ空間を提供しています。
和菓子と洋菓子という異なる領域を両立し、地域に根ざした事業運営とブランドづくりを進めるとともに、近江の自然や文化とのつながりを大切にしている企業グループです。
自然の恵みを未来につなぐために──CO2算定とコスト課題
お菓子の原材料は、すべて自然の恵みから生まれています。地球温暖化が進むことで、気候危機は自然環境に大きな影響を与え、持続可能な原材料の調達や水資源の確保が難しくなりつつあります。
私たちがこれからも美味しいお菓子をつくり続けるためには、自然の恩恵を受け続けられる環境を守ることが欠かせません。そのため、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑え、カーボンニュートラルを目指すことが重要だと考え、約5年前から経営企画室が中心となってCO₂排出量(GHG排出量)の算定に取り組んできました。
当初は他社の炭素会計サービスを利用して算定を行っていましたが、運用を続ける中で費用面に課題を感じるようになりました。排出量の算定だけで年間約100万円近いコストが発生しており、「算定のためだけにこれだけの費用をかけるのは適切なのか」という疑問がありました。
パック料金で炭素会計コストを0円に 運用と精度を維持したままinvoxへ切り替え
元々当社ではDX推進室主導で、「invox受取請求書」を導入していました。直感的に操作できるUIにより各部署でスムーズに利用が進み、現場に負担をかけずに運用できる点が評価されていました。
その後、invox電子帳簿保存、invox発行請求書と順に経理領域でのシリーズ導入を進める中で、invoxのパック料金によって「invox炭素会計が追加費用なしで利用できる」ということを知りました。
この情報を受けて、DX推進室から経営企画室へ共有し、試験的に利用を開始しました。既存の算定手順と精度を大きく変えることなく運用できることが確認できたため、システムを切り替え、invox炭素会計の本格導入を決定しました。
結果として、これまで年間約100万円かかっていた炭素会計のコストは0円となり、無理なく継続できる体制を整えることができました。
システム移行時には導入サポートパックを利用して初期設定を依頼し、操作や設定で難しいと感じる場面も少なく、スムーズに運用を開始できました。現在も無償サポートを活用しながら運用を継続しており、安心して使い続けられています。
CO2排出量の可視化を継続 活用の高度化と脱炭素経営への展開
invox炭素会計の導入により、これまでと同様に排出量の可視化を継続できています。月次でデータを確認することで、空調の影響を受ける夏場の増加や、仕入れ量に応じたスコープ3の変動など、排出量の傾向を把握しやすくなりました。
一方で、運用を進める中で活用に向けた課題も見えてきています。現在は会計データをもとに算定を行っていますが、より具体的な施策につなげるためには、原材料や調達先ごとの違いまで踏まえた、より詳細なデータに基づく算定が必要です。
食品製造業である当社ではスコープ3の割合が大きく、調達の見直しは排出量削減に向けた有効なアプローチの一つです。
しかし、CO2排出量算定では一般的に農作物の排出係数として国やデータベースの平均値を用いるケースが多く、平均値を使用している限りは、仕入れ先を変更しても算定上の排出量に差が表れにくいという課題があります。実際には、農家ごとに肥料や水管理、栽培方法などが異なり排出量にも差が生じますが、こうした違いを反映するにはサプライヤーごとの一次データが必要となり、現状では十分に反映できていないのが実情です。
自然の恵みをいただいてものづくりをする企業として、私たちは生産者の努力や素材の背景を正しく理解し、できる限り実態に沿った形で排出量を把握したいと考えています。そのため、より精度の高い算定方法やデータ取得に取り組む必要性を感じています。
スコープ1・2のデータは活動量と一次データから算出されるため、日々の取り組みが削減にどう影響するかを捉えやすい領域です。一方で、単なる省エネ活動にとどまらず、経営の意思決定の中に脱炭素の視点を取り入れていくことが重要になります。
脱炭素経営はリスクの低減だけでなく、成長のチャンスでもあります。商品企画や調達の段階から環境負荷を意識することは、ブランド価値の向上や採用にもつながる取り組みであると確信しています。
そのためにも、データの最適化や社内での活用体制の整備を進め、炭素会計を実務の中でより活かせる形へとつなげていきます。
