領収書の但し書きはどう書く?費目別の記載例とNG表現を解説

領収書の但し書きは、「何の代金か」を記した欄であり、曖昧な記載は税務調査で指摘される原因になります。「飲食代」「物品」などの漠然とした表現は避け、費目ごとに具体的な内容を書くことが実務の基本です。

この記事では、領収書の必要事項における但し書きの位置づけ、費目別・業種別の記載例一覧、よくあるNG表現と理由、インボイス制度への対応まで解説します。

領収書の必要事項と但し書きの役割

領収書に記載すべき必要事項は5項目あり、但し書きはそのひとつとして「何の代金か」を示す重要な欄です。記載内容が不明確だと、税務上の証憑としての信頼性が下がります。

領収書但し書きイメージ画像

領収書の5つの必要事項

必要事項 記載内容 記載例
発行日 金銭を受領した日付 2025年5月21日
宛名(会社名) 支払者の氏名または社名 株式会社〇〇 御中
金額 受領した金額(税込) ¥11,000(税込)
但し書き 代金の内容・用途 会議費として(参加者3名)
発行者情報 発行者の社名・住所・印 株式会社△△ 東京都…

但し書きが重要な理由

但し書きは、税務調査の場で「その支出が業務上必要であること」を証明する根拠になります。宛名や金額が正確でも、但し書きが「飲食代」「物品代」など曖昧な表現だと、経費の用途が不明として指摘される場合があります。発行者側・受領側の両者が具体的な内容を記載・確認することが重要です。

正しい但し書きの書き方

正しい但し書きは、「何を・何のために」が第三者にも伝わる具体的な表現で書くことが原則です。費目ごとに書き方の型を押さえておくと実務でも迷いません。

3つの基本原則

①具体性:「消耗品」ではなく「コピー用紙A4 500枚」のように、内容が特定できる表現を使います。

②簡潔性:長文説明は不要ですが、内容・用途・人数など識別に必要な情報は省略しません。

③業務関連性:「〇〇として」「〇〇打ち合わせ費用」など、業務との関連がわかる表現を付けます。

「〇〇として」の使い方

但し書きの定番フォーマットは「〇〇として」です。「会議費として」「旅費交通費として(東京→大阪 出張)」など、費目名+用途を組み合わせると明確になります。飲食を伴う場合は参加人数を付記すると、会議費・接待費の判断がしやすくなります。

費目別・業種別の但し書き記載例一覧

費目ごとに良い例とNG例を比較すると、具体性の違いがわかりやすくなります。実務では以下の記載例を参考に、内容に合わせて応用してください。

費目 良い例(〇) NG例(×)
消耗品費 コピー用紙A4 500枚×2冊 消耗品代として
会議費 営業会議 飲食代として(参加者4名) お茶代として
接待交際費 取引先接待 会食費として(参加者3名) 飲食代として
旅費交通費 出張交通費として(東京→大阪 新幹線) 交通費として
宿泊費 出張宿泊費として(大阪 1泊) ホテル代として
通信費 業務用携帯電話 月額利用料として 通信料として
研修費・教育費 経理実務研修 参加費として(参加者2名) 研修代として
書籍・資料費 業務関連書籍「〇〇実務ハンドブック」1冊 書籍代として
外注費・手数料 システム導入コンサルティング費用として 手数料として

よくあるNG表現と税務上の注意点

税務調査で最も指摘されやすいのは、但し書きが「その他」「物品」「雑費」など用途を特定できない表現になっているケースです。具体性のない但し書きは、業務との関連を証明できず、経費計上を否認されるリスクがあります。

但し書きの正しい書き方イメージ例

避けるべき表現の一覧

NG表現 問題点 改善例
その他として 何の代金か全く不明 具体的な品名・用途を記載
物品代として どんな物品か不明 「コピー用紙A4 500枚」など品名を明記
飲食代として 会議費か接待費か判断できない 「会議費として(参加者〇名)」など目的を付記
サービス料として どのサービスか不明 サービス名・対象期間などを明記
上代として 業種外の人には意味が伝わらない業界用語 「商品仕入れ代金として」など一般的な表現に変換

税務調査での確認ポイント

税務調査では「この支出が業務に必要だったか」が問われます。但し書きに業務との関連が書かれていないと、調査官が用途を判断できず追加の説明資料を求められます。特に飲食費・交際費は金額が大きくなりやすいため、参加者名・人数・目的を但し書きまたは別紙に記録しておくのが安全です。

インボイス制度における但し書きの扱い

2023年10月に始まったインボイス制度では、適格請求書に「資産又は役務の内容」などの記載が必要です。領収書が適格請求書または適格簡易請求書を兼ねる場合、但し書きは取引内容を示す重要な記載となるため、内容が分かるように記載することが大切です。

インボイス対応での但し書き記載ポイント

インボイスを兼ねる領収書では、取引内容が具体的に分かるように記載するのが望ましいです。複数税率が関係する場合は、税率区分が分かるように整理すると、仕入税額控除の確認もしやすくなります。受け取った領収書の但し書きが不明確な場合は、発行者に内容を確認しておくと安心です。

まとめ

領収書の但し書きは「何の代金か」を第三者に伝えるための欄であり、具体性・簡潔性・業務関連性の3点が重要です。「飲食代」「物品代」など曖昧な表現は避け、費目に合わせた具体的な内容を記載することで、税務調査にも対応しやすくなります。インボイス制度対応後は、但し書きが適格インボイスの記載要件を満たすかどうかも確認が必要です。

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