シンプル・低コスト・強固なセキュリティが選定基準、強い組織間連携力で68社・利用者数万人以上の電帳法対応をスムーズに完了
2024.3.8 パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 新木 誠 様・大野 善彦 様・三宅 加織 様
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
情報システム本部 IT戦略部 新木 誠 様
情報システム本部 IT戦略部 大野 善彦 様
情報システム本部 経営管理部 三宅 加織 様(広報)
利用サービス:invox電子帳簿保存
シンプルで、低コストで、強固なセキュリティを持つサービスを求めて
-ご検討当時、どのような課題があって、サービスの選定を始められたのでしょうか。
新木様:やはり今回の電子帳簿保存法7条が改正されるというのが一番の大きなきっかけとなりました。
もともと、経理関係の書類を保存する仕組みはあったのですが、7条改正では電子的な取引関係書類全般が対象となって種類も数も膨大ですし、何より業務範囲が広いため、グループ内の全事業会社に影響がある内容でした。基幹システムで扱う取引データは新たに構築した文書保管システムでの保存を決定していたのですが、基幹システムで取り扱わない、メールでやり取りする注文書や、別システムに見積書をアップロードするような業務があったものですから、別のツールが必要と判断して、サービスの検討を始めました。
-サービスを選定するにあたっての基準や機能面などの要件について教えてください。
新木様:最初にお話した通り、基幹システムの取引データは文書保管システムで保管しますので、それ以外で電磁的にやりとりする取引情報の保存ができる、シンプルなサービスを求めていました。ですが、実際にいくつかサービスの話を聞いてみると「全社業務をまるごとDX」を売りにしている大規模なシステム導入が必要なものが多かったのです。電子帳簿保存法の対応は宥恕期間があったとはいえ、改正適用のタイミングは決まっていましたから、導入にあまり時間をかけてしまうと、運用テストの時間が十分取れずに運用検討が難しくなると考えていました。また、大規模なシステムだとコストを抑えることが難しかったため、導入が広範囲に亘る当社グループ向けのサービスとしては推奨しづらかった印象です。
その点、invoxはシンプルかつ、低コストでしたし、トライアルですべての機能を試すこともできるので、テストがしやすかったということも決め手の1つになりました。
-限られた時間の中で、導入をスピーディーに進められて、シンプルな使い方で法対応できるものを求めていたというわけですね。今回、選定においてはセキュリティチェックや、信用調査などもされていると伺いました。どのような調査をされたか、また基準などありましたら、教えてください。
大野様:まず、信用調査については東京商工リサーチに依頼をして、調査をしてもらいました。また、グループ内の複数事業会社が利用するサービスですから、セキュリティ面で信頼できることは絶対条件でした。
社内ではクラウド利用申請を経て、申請が通ったものだけを利用できるルールがあり、申請の際には専門の調査部門がおりますので、個人情報の取り扱いや、利用に関するログが残るかなどの調査をしてもらいました。事業会社の中には個人情報を多く取り扱う会社もありますので、強固なセキュリティが担保できるかという点はかなり重要視していましたね。
また、SSO(シングルサインオン)の仕組みが利用できることも評価のポイントになりました。社内では多要素認証を採用していまして、IDとパスワードでログインするサービスですと、IDとパスワードが漏えいしてしまった場合に外部の方が簡単にアクセスできてしまいます。invoxのSSOオプションを利用すれば社内と同レベルのセキュリティ認証になると考え、認証面もinvoxなら問題ないと判断しました。
長年培われてきたパナソニックグループの組織間連携力で、
利用者数万人以上の電帳法対応をスムーズに推進
-今回、かなり大規模なサービスの導入になったと思いますが、事業会社の意見集約や課題について、プロジェクトとしてどのようにとりまとめて、対応を進められたのでしょうか。
新木様:実はツールに関する意見の集約はしていないのです。あくまでinvox電子帳簿保存はプロジェクトからの推奨ツールという位置づけで、強制的に導入を推進するようなことはしませんでした。そこは当グループの特色が出ていたのかもしれませんが、どのツールを使うかは各事業会社で判断いただいておりましたので、意見集約して、どのツールをどう導入するかなどの議論はしていないというのが実態になります。
-あくまで推奨ツールなので、導入要否は事業会社の判断で進めて良いというのは推進するプロジェクトの皆さまと各事業会社と双方進めやすいのかもしれませんね。ただ、そうなると電子帳簿保存法の理解が追い付かず、「導入しない」と決めた事業会社の電帳法対応が未対応になってしまう懸念があるのではないかと思いましたが、グループ内の教育や周知はどのようにされていたのでしょうか。
新木様:今回の電帳法対応を進めてきたプロジェクトの体制が大きく影響していると考えています。当グループでは、2022年10月から税制改正プロジェクトを発足させて、電子帳簿保存法並びに消費税インボイス制度の対応を進めてきました。プロジェクトの体制では各事業会社の業務をよく理解している経理部門とIT部門からそれぞれリーダーとメンバーを選出してもらっています。そのプロジェクトメンバーが所属する事業会社傘下の各社に対して、周知徹底してくれました。
このように税制改正プロジェクトが階層構造になっていたことで、プロジェクトで決めた方針が浸透しやすく、導入をスムーズに進められたのだと思います。
-とても強い組織間の連携力が法対応を成功に導いたのですね。1社で2万人以上のユーザー登録があった事業会社様もいらっしゃいましたが、invoxサポート宛に登録ユーザーから「身に覚えのない登録があった」とお問い合わせいただいたのは数件程度でしたので、私たちも貴グループの統制力に大変驚かされました。
新木様:今回の税制改正プロジェクトだけでなく、グループ全体でのプロジェクト活動は過去にも何度もありましたので、そういった活動のノウハウが社内にあったことは大きいかもしれません。
-お話を伺って、何度もそういった局面を乗り越えてきたからこそ、パナソニックグループとしての組織力が培われてきて、今日のグループを支えているのだと感じました。
新木様:そうですね。あとはそういったノウハウを次世代にしっかりと伝えていくことが大切だと考えています。
信頼のおける迅速なサポートで複数のグループ内事業会社の導入がスムーズに進行
-話は変わりますが、invoxをご導入いただいて、その後運用においてうまくいかないことや、サービスに対するご要望などはあるでしょうか。
大野様:1月から本格導入して、 2月末で税制改正プロジェクトは終了したのですが、その期間で大きなトラブルや重大な課題などは挙がってきておらず、各々の事業会社内で解決できているのではないかと思っています。わからないことは集合導入サポートパックで説明いただいたことを振り返ることで、不明点を減らすことができました。
-導入も運用もスムーズに進んでいるようで、安心いたしました。ちなみに集合導入サポートパックについては実際にサポートを受けていただいていかがでしたか。改善点などご意見あれば、今後のサービス運営に反映したいと考えております。
大野様:改善点というより、良かった点がほとんどでして、まず、開催頻度。これが本当に良かったと思います。一度にすべての説明を受けるのでなく、2週間ごとに段階的に説明会を開催いただいたことで、そのとき理解が追い付かなくても、次の2週間後までに動画を見て、次回のサポート説明会に参加するという流れだったので、進捗が遅れてしまって追いつかないというユーザーを減らせたと思います。2週間ごとという頻度も早すぎず、忘れない程度の頻度だったのでちょうどよかったなと思いますね。
また、サポート期間中はQ&A対応を細かにしていただいたこともスムーズな導入につながったと思います。毎日Q&A表をお渡しして、次の日の朝には回答が返ってくるという状態を作っていただいたので、わからないことや迷うポイントに対して、長時間待たされることなく、日々クリアになった状態で導入を進められたのが好印象でした。
新木様:質問に対するレスポンスが早かったことは信頼できるなと思ったポイントの1つです。日々のQ&Aやりとりのスピード感を見て、「invoxならちゃんとサポートしてくれるな」と安心して任せられると感じました。
-集合導入サポートパックについて、ご満足いただけたようで良かったです。サポートが終了するとチャットやメール、WEB会議などの通常のサポートをご利用いただく流れになりますがご利用いただきましたか。
大野様:チャットは利用したことがあります。チャットも回答が迅速で、朝に連絡したら、朝のうちに返答があるので、これにもいい意味で驚かされています。
新木様:他のサービスにチャットで問い合わせると「ただいま混みあっています」という一次返答しか来なかったりしますが、数十分ほどで質問の回答が返ってくるのは本当にすごいことだと思いました。
デジタルであらゆる「ムダ」をなくし、
変化に強いスピード感のある事業活動を目指す
-通常のサポートもお褒めいただきありがとうございます。導入に関してのお話は伺えたので、今後の貴グループで取り組んでいく業務改善や展望などをお聞かせいただけますか。
大野様:具体的な施策ということではないのですが、グループCEOの楠見や、グループCIOの玉置から話が挙がっている、「あらゆるムダをデジタルでなくしていこう」ということにグループで取り組んでおります。組織が大きくなってくると情報の伝達が遅くなってしまったり、伝言ゲームのように伝わったころには情報が正しく伝わっていなかったりと、そういったムダが発生してしまいがちです。また、組織の階層構造が深く、複雑になっていくと報告のための報告が増えてしまうことがあるため、事業活動においての情報の滞留を減らし、やらなくてもいい業務をなくしていくことが今後求められていくことだと思っています。
-日々社会情勢も目まぐるしく変化していますので、企業としてスピード感のある運営をより求めていきたいということですね。最後にinvoxに対して期待していることやサービス全般に対するご要望などがありましたら教えてください。
大野様:全体として、機能面、サポート、共に本当に満足しています。強いていうなら、SOC1レポートなどの監査レポートの対応ができると尚良いと思いました。今ですと、当グループのみならず、多くのinvoxを利用される方が監査対応をする際に、個別にinvoxに問い合わせる流れになるかと思うのですが、どうしても双方にとって負担が大きいのではないかと思っています。監査レポートの対応が済めば、展開するだけでよくなるので、負担も減ると思いました。
-貴重なご意見ありがとうございます。より多くの方にご利用いただけるサービスになるように、良いサービスに成長し続けていきます。本日はお時間をいただきましてありがとうございました。
パナソニックグループについて
パナソニックグループは、多岐にわたる製品とサービス、ソリューションを通じて、人々の「幸せの、チカラに。」なるべく、物と心両面から支え続けてまいりました。物があふれる現代で社会に生きる人々が豊かな人生を送り続けるためには、次世代にも豊かな社会を残すことが必要だと考えており、そのためには地球環境問題の解決が喫緊の課題と考えております。エネルギー問題や環境問題へ向き合い、解決に向けて歩み続けてまいります。これまでも、そしてこれからも、お客さまと共に、物と心が共に豊かな理想の社会の実現のために、「社会の公器」である企業として、まい進してまいります。