経費精算の効率化ガイド【中小企業向け】
企業にとって、経費精算は必要不可欠な業務のひとつです。
しかし、従業員が増えるにつれて、経費精算の業務量は増加し、手間がかかるものとなってしまいます。
経理担当者や経営者にとって、経費精算の効率化は業務の負担を軽減し、生産性を向上させるために欠かせないテーマです。
本記事では、中小企業が経費精算を効率化するための具体的な方法とそのメリットについて解説します。
目次
経費精算とは
経費精算は、立替経費精算とも呼ばれ、従業員が日々の業務で立て替えた経費を精算する業務です。
経費精算を行うスタッフ、承認者となる上長や経理担当者など関わる従業員も多く、ミスによる差し戻しなど、非効率になりやすい業務です。
また、金額が大きくなると従業員が一定期間立て替えることが金銭的な負担になるため、その負担を軽減するために事前に概算金額を支給する「仮払申請」や、実際に利用した後で仮払された金額を清算する「仮払精算」が発生してくると従業員ごとの仮払残高の管理も発生し、さらに複雑さが増します。
仮払業務の効率化については経費精算を複雑にする「仮払」効率化ガイドをご覧ください。
紙ベースでの経費精算の流れ
経費精算を紙で行う場合の代表的なフローは下記のようになります。
1. 経費精算書作成
社内の経費精算書のテンプレート(ExcelやGoogleスプレッドシート)に、近場交通費や利用した経費の情報を入力していきます。
スケジュール表をさかのぼって記憶をたどりながら交通費を入力したり、領収書を伴う経費がある場合は、領収書を添付して経費精算書を作成します。
2. 上長による承認(押印)
できあがった経費精算書を印刷し、部門長など承認者に提出します。
承認者は内容を確認し、問題が無ければ承認欄に押印して次の承認者へと経費精算書を回します。
3. 経理による確認
ひととおりの承認が終わると経理に経費精算書が届きます。
経理では、交通費のルートが最安の経路なのか、定期区間が考慮されているか、また適格請求書発行事業者の登録番号の確認などルールに従って確認します。
問題が無ければ仕訳や計上業務を行い原本を保管します。
紙ベースでの経費精算の課題
経費精算業務は関係者が多く、上記のように紙ベースで行われている場合、各担当者が抱える下記のような課題があります。
申請者
・定期区間を考慮した交通費の経路や領収書を見ながらの入力は時間もかかる上にミスが発生しやすい
・経費精算書を印刷して領収書を添付したり、台紙に領収書を張り付けたりと紙にまつわる非効率な業務が発生する
・リモートワークができない
承認者
・経費精算書を回してハンコリレーを行う必要がある
・リモートワークができない
経理
・金額の正確さや、インボイス制度の要件を満たすかなど確認作業が大変 ※
・保管作業に時間がかかる
・保管場所が必要
・過去分の参照が手間
・仕訳や支払処理の際に入力が発生する
・リモートワークができない
※インボイス制度について、詳しく知りたい方は下記の動画や資料をご覧ください。
これらの課題の多くは経費精算システムを導入し、経費精算を電子化することで解決が可能です。
電子化された経費精算の流れ
経費精算サービスを導入して電子化した場合の代表的なフローは下記のようになります。
1. 経費精算申請
領収書はスマホで撮影してアップロードするとAI-OCRでデータ化され、タイムスタンプも付与されますので、原本の保管や提出は不要です。
また交通費の登録もあらかじめ設定してある定期区間を考慮して検索できるため入力時間の削減や、ミスの軽減が可能です。
ひととおりの入力、確認が終わったら申請ボタンを押します。 ※
※スマホで撮影した領収書を保管する際は電子帳簿保存法 スキャナ保存制度の要件を満たす必要があります。
電子帳簿保存法の詳細は下記の動画や資料をご覧ください。
2. 上長による承認
承認依頼がメールで届いたら、メールのリンクをクリックして内容を確認し、承認ボタンを押します。
3. 経理による確認
ひととおりの承認が終わると経理に経費精算書が届きます。
確認画面では経路が最安ルートかどうかが表示され、登録番号の内容も自動でチェックされているため確認作業の大半が不要となります。
また申請内容から費用計上の仕訳や支払データも自動で生成されるため、入力作業も不要となります。
経費精算を効率化するポイント
経費精算システムの導入に加えて経費精算を効率化できる可能性があるポイントについてご紹介します。
法人カードの利用
インボイス制度前は法人カードの明細のみで経費精算が可能だったため有効な手段でしたが、インボイス制度がはじまったことで領収書の保管も必要になってしまいました。
領収書と法人カード明細との紐づけという新たな作業も発生し、経費精算の効率化という観点では効果はかなり限定的です。
一方、法人カードを配ることで仮払業務を無くすことができれば導入効果が期待できます。
ICカードからの経路情報の読み取り
出社スタイルであればオフィスにICカードリーダを用意して交通系ICカードから経路情報を読み取って入力作業を軽減できます。
個人用と業務用で交通系ICカードを分けると読み取り後の選別も不要となり効果も大きくなります。
まとめ
経費精算の効率化は、業務負担の軽減、コスト削減、正確性の向上、従業員満足度の向上など、多くのメリットをもたらします。
一方で、経費精算システムは登録ユーザ数で費用がかかるシステムが多く、年に数回しか経費精算しない従業員を考えると割高に感じられ中小企業での導入が進まないという側面があります。
費用面がネックで、導入を迷う方は「登録ユーザ数」ではなく「経費精算を行ったユーザ数」等、使った分だけの料金体系のシステムを選択すると費用対効果の高い導入が可能となります。
invox経費精算は、インボイス制度と電子帳簿保存法に対応し、経費精算を行ったユーザ数での料金体系で、無駄な費用をかけずに経費精算業務を電子化できます。
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