業務委託契約の請求書作成方法|記載すべき項目と注意点
業務委託で仕事を請け負った際、「どんな内容を請求書に書けばよいのか」「源泉徴収はどう扱うのか」と迷う方は少なくありません。
請求書は単なる支払依頼書ではなく、契約内容や税務処理にも関わる重要な書類です。
この記事では、業務委託契約で使用する請求書の基本的な書き方と記載項目、源泉徴収の考え方、作成時の注意点を実務目線でわかりやすく解説します。
目次
業務委託契約における請求書の役割
業務委託契約における請求書は、報酬の支払いを依頼するための正式な書類です。契約で定めた業務や成果物に対し、支払期日や金額を明示することで、支払側と受託側の認識を一致させる役割を果たします。
- 報酬請求の根拠を明確にする
- 支払内容を記録に残す(支払期日・金額・業務期間など)
- 税務・経費処理に必要な証拠書類となる
請求書に記載すべき主な項目
業務委託契約の請求書には、支払い処理や税務上必要な情報を正確に記載することが求められます。以下では、基本的な必須項目と、インボイス制度に対応するための追加項目を整理して紹介します。
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① 請求書の宛名
取引先の正式な会社名・部署名・担当者名を記載します。法人格(株式会社・合同会社など)を省略しないよう注意しましょう。 -
② 請求書の発行日
請求書を作成した日付を記載します。請求期間が月単位であれば、通常は翌月初めに発行するケースが多いです。 -
③ 請求書番号
管理や照会を容易にするために、各請求書に固有の番号を設定します。
例:「INV-202503-001」「2025-03-01-A」など。 -
④ 支払い期限(入金期日)
「いつまでに支払うか」を明示します。
例:「2025年4月30日までにご入金ください」など。 -
⑤ 請求者の情報
企業名(または氏名)、住所、電話番号、メールアドレスを記載します。法人の場合は社印を押印するケースもあります。 -
⑥ 請求内容(業務内容・品目・単価・数量・金額)
請求対象となる業務内容や納品物を明確に記載します。
例:「Webサイト制作費 一式」「ライティング業務(3月分) @10,000円 × 5本」など。 -
⑦ 取引年月日
業務を実施した日付、または納品日を記載します。
「2025年3月1日〜3月31日」のように期間で明示しても構いません。 -
⑧ 消費税額・合計金額
税抜金額・消費税額・合計(税込)金額をそれぞれ明示します。
例:「小計100,000円+消費税10,000円=合計110,000円」。 -
⑨ 源泉徴収税額(必要な場合のみ)
個人事業主が報酬を受け取る場合、源泉徴収が必要なケースがあります。
源泉徴収税額は次の式で求められます。
報酬金額 × 10.21% = 源泉徴収税額
例:報酬10万円の場合、源泉徴収税額は10,210円。請求書には「報酬100,000円/消費税10,000円/源泉税▲10,210円/差引支払額99,790円」と明記します。 -
⑩ 振込先
銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義を記載します。
振込手数料の負担先(例:「振込手数料は御社ご負担にてお願いいたします」)を記載しておくと親切です。
インボイス制度で追加される主な項目(該当する場合)
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① 登録番号
適格請求書発行事業者の場合は、Tから始まる登録番号を記載します。
例:「登録番号 T1234567890123」。 -
② 適用税率
税率ごとに対象金額を区分して明示します。
例:「10%対象:100,000円」「8%対象:50,000円」など。 -
③ 軽減税率対象の明記
食品や新聞など軽減税率の対象が含まれる場合、「※軽減税率対象」と明記します。
請求書作成時の注意点
※ 実務でミスが起きやすいポイント
- ・契約書・発注書との一致(品目・金額・期間)を必ず確認する
- ・税率の適用誤り(10%/軽減8%)に注意する
- ・源泉徴収額を控除後の振込金額を明確に記載する
- ・請求書番号・発行日の重複を避ける(採番ルールの統一)
- ・支払期日を空欄にしない(支払サイトに沿って明記)
まとめ:正確でわかりやすい請求書が信頼につながる
業務委託契約の請求書は、契約と支払いをつなぐ重要な書類です。
宛名・業務内容・金額・税金・支払期日など、必要な情報をもれなく記載することが、円滑な取引と信頼構築につながります。
源泉徴収や税率の扱いなど、迷うポイントは契約書・経理担当者と確認しながら正確に記載しましょう。
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